プロセス改善活動における XVL の活用
三菱重工業株式会社
汎用機・特車事業本部 技術・品質統括室 技術統括グループ
三好 慶幸 様
イベントレポート
セミナーでの講演をレポートで公開します
事例紹介
三菱重工業株式会社
汎用機・特車事業本部 技術・品質統括室 技術統括グループ
三好 慶幸 様
品質向上、手戻り工程削減、開発業務の効率化を目的とした設計プロセス改善活動において、デジタルモックアップのツールとして、XVL データの活用を試行し、そこから見えてきた問題点等を事例を交えてご紹介いただきました。
弊社は 1994年 に Pro/E の導入を始め、2000年 からは大型エンジンの開発に CATIA V5 を導入、現在では新規開発製品すべて 3 次元 CAD を使用して開発している。導入した当初は 3 次元 CAD を導入することによって、開発期間の短縮、試作費の削減、コンカレント開発、品質の向上など多くのメリットを期待していた。
ところが、導入から何年経っても日々の業務が改善されたと体感できない。問題を分析したところ、3D データをベースとしたプロセスやインフラが未整備であったことがその問題のひとつとして浮かびあがってきた。3D 化はしたものの、設計プロセスは従来の 2D 図面基準のものであったため、3D データの使いこなしが十分ではなく、効率が悪かったのだ。
そこで、3D データの特徴を活用して手戻りの少ない新設計プロセスを構築し、開発業務の効率化を実現することを目標に業務の見直しを行った。3D データを基準としたプロセス。ものを実際に作る前にデジタルデータで検証を済ませ作成後は確認作業で済み、大きな後戻り工程も排除したい。
こうした新プロセスのあるべき姿を検討した結果、プロセスに節目を持たせた開発スタイルの導入、その節目に合わせて行う総干渉チェックや製造性・実験・他関連部署による早期チェックとフィードバック体制を構築しようと考えた。
しかしこれには関連部署での検証を従来の紙ベースから3Dデータに切替えることが不可欠だった。さらに、3D データの操作は CAD のように複雑ではなく、誰もが容易にできなくてはならない。こうした観点から 3D データのインフラとして Viewer の選定を行った。そして、Pro/E・CATIA V5 のデータが変換可能なこと、ネットワーク負荷をかけないデータサイズ、フォーマットに将来性・拡張性が高いこと、国内メーカーであることなどの理由から我々は XVL を導入することに決定した。
Viewer の導入により、設計部署では CAD と XVL の混在利用、関係部署では XVL をメインに利用するという体制ができあがった。また、CAD データと XVL を対に管理するために 3D マスター管理システムを開発し、新たに導入した。
こうして構築した新プロセスを実際行っている開発に部分的に試行したところ、製品組立性の問題点が激減、さらに組立に関しては問題点が限りなく 0 に近くなり、現場から高い評価を得ることができた。
しかし同時に、DR 実施における工数が大きい、試作完成度は向上したが量産の品質確保には結びつけられるのか?などの課題も上がった。一方で、DR 時にチェック箇所が膨大になるという課題に関しては、トライアル期間中に、迅速に修正版を用意いただけたため、工数を大幅に減らすことができた。
これは、国内のメーカが提供するツールだから実現できたことだと感じている。
今後はこれらの問題点の解決と併せて、Lattice3D Reporter を活用した紙文化から 3D データ文化への移行、社外との3Dデータによる連携、3 次元図面の検討、開発期間短縮に向けた更なる改善、他機種への展開を進めていこうと考えている。
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プロセス改善活動における XVL の活用
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汎用機・特車事業本部 技術・品質統括室 技術統括グループ 三好 慶幸 様
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