XVL で 「 設計の見える化 」 試作にも有効活用
日本カタン株式会社
技術部 設計技術課
濵川 智仁 様
イベントレポート
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事例紹介
日本カタン株式会社
技術部 設計技術課
濵川 智仁 様
日本カタン株式会社は創業が 1918 年であり創立 92 年という歴史ある企業である。本社・工場を大阪府枚方市、支社を東京都港区に置き、 “ より良い品質を、撓みない創造を ” スローガンに設計、技術、製造、品質管理一体となって企業活動に取り組んでいる。
製造品目は主に、送電線や発電所用の架線金具があり主要顧客は電力会社、送電線使用企業である。また架線金具とは送電線鉄塔と電線をつなぐ “ がいし装置 ” に付属するものであり、耐久性はもちろんのこと、高所での作業が伴うため、現場での組立性、作業性が重要なポイントとなる。
XVL は技術部が中心となり活用の取組みを開始した。その活用方法は以下の 3 パターンである。以下内容について消化していく。
1. デザインレビューでの活用
新規製品を設計、製造する場合は設計妥当性をチェックするため、品質部門、製造部門メンバー参画により意思疎通や意見を出し合う場として、デザインレビューを実施している。しかし、これまでは 2D 図面を用いていたが、第 3 者である品質、製造部門から 「 複雑な形状がイメージしにくいので、効果的なデザインレビューが実施できない 」 といった意見が出されていた。
そこで、3D データを活用し、より効果的なデザインレビューを実施することを目指していたところ、ビジュアル的に軽いツールである XVL に出会った。
現在のデザインレビューは 2D 図面作成後、3D CAD でモデリングを実施し XVL 変換後、XVL を用いて 3D データによるデザインレビューを実施するようにした。
3D モデリングという作業が 1 工程増えたが、レビュー段階で形状イメージがつかみやすくなったのはもちろんのこと、試作前に製品形状についての議論が設計、品質管理、製造のメンバーで行えるようになり、問題点の先だしが可能となり形状変更のリスク減や開発期間短縮化の効果も出始めている。
2. 客先 PR での活用
架線金具の取替え作業は鉄塔上の高所で行うので、どのように取替えを行うのか、あるいは工具をどのように使うのかといった工事手順、作業性をお客様先に説明したり、お客様とともに考案したりすることが重要である。
新規製品の架線金具をお客様先で説明する場合、従来の 2D 図面ではその形状や連結状態、工具取付け状況、手順等が把握しづらいといった問題が生じていた。
そこで、XVL を活用して製品形状を説明したり、アニメーションを付加し工具取り付け手順をお客様先に XVL で説明するようにした。その結果、「 形状把握がしやすくなった 」、「 工事手順がわかりやすくなった 」、「 意思疎通が図れた 」 とのご意見をいただき、大きな効果を得ている。
最近では 3D プリンターを導入し、デジタルデータだけはなく縮小模型を同時に製作して XVL モデル + 縮小模型をお客様向けに提示し、製品説明および PR に役立てている。
また、お客様からの要望で資材担当者向けに 「 製品カタログ 」 を作成した。製品を 3D 図面として作成し、配布したところ、こちらも 「 製品名と形状が把握しやすくなった 」、「 新入社員への説明がしやすくなった 」 との意見をいただき、好評であった。
3. 社内( 現場組立指示 )での活用
製品の自社内組立て作業において、従来は 2D 図面と作業指示書によって行っていた。現場作業において、細かい製品形状や作業内容が把握できないケースが生じており、その対策として詳細な組立図を作成したり、技術者が直接現場に出向いて対応するなど、手間をかけて対応していた。
そこでこの現場組立作業指示に XVL データによる 「 3D 組立図面 」 を併用させることにした。XVL データを現場組立作業者が参照できるため、形状把握や組立位置、組立手順等の組立方法が非常に分かりやすくなり、現場での説明・指示、および問い合わせ等が減り、組み立て作業効率化につながっている。
今後の活用拡大は 2 点考えている。
1 つ目は 「 製品カタログの充実化 」 である。一部製品においては自社製品カタログを作成しているが、その他製品についても作成し、製品カタログの充実化を図りたい。
2 つ目は 「 他社製品との連結・離隔チェック 」 である。送電線全体で見た場合は鉄塔、がいし等他社製品も取り付いているが、この他社製品と自社製品をすべて 3D モデル化し、XVL を活用して連結チェックや離隔チェックを実施したいと考えている。
架線の保守作業は鉄塔上の高所作業のため、おおきな作業リスクをかかえている。現状は 2D 図面を用いて設計者の知見や想像や、実物のチェックにより、作業リスク回避を考えている。しかし、製品の取り付け作業は鉄塔の上での作業の為、取り付かなかった場合や、離隔が不足していた場合、一旦地上に降ろし、再度鉄塔の上で作業することになり、その労力や時間は大きな負担となる。
これらの架線保守作業リスクを極力減らす為、XVL で 「 立体化、見える化 」 し、事前に対策したいと考えている。
XVL を主体とした 3D データの一気通貫活用の取組み
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CAD データ( 3D 図面 )の長期保管
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濡れた雑巾を絞れ!- 全体最適化における XVL PLM の役割とは
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XVL を活用した組立工程設計の効率化
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超大容量データで検証し、軽快に伝達する -XVL 最新戦略の全貌-
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XVL で「 設計の見える化 」試作にも有効活用
日本カタン株式会社
技術部 設計技術課 濵川 智仁 様
XVL Studio によるサービス資料イラスト作成の削減効果
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