イベントレポート

XVLものづくりセミナー 2012 in 大阪  講演レポート

セミナーでの講演をレポートで公開します

事例紹介

主催者講演2

より現場に近い部門と構築するソリューションビジネス

株式会社アルゴグラフィックス

細谷 涼子
営業本部 第四事業部 ビジュアライゼーション推進部

会社紹介

アルゴグラフィックスは1985 年に設立され、現在単独では社員数465名の会社である。アルゴグラフィックスは、PLM ソリューションを中核としてHPC/サーバー・ソリュシ ョンを通じ、付加価値を創造するテクニカル・ソリューション・プロバイダーである。

3D活用の現状

今日、3D CADの導入が進み設計や開発といった部門では3Dデータを活用した業務が定着しつつある。デザインレビューや解析、帳票作成などの業務で3Dデータが利用されていたり、関連部門への3Dデータの公開も行っていたりと3Dデータの活用方法はさまざまである。

しかし、それ以外の部門(生産・製造)では3Dデータを見ることはできるものの、実務での活用ができていないという現状がある。また、設計や開発などの上流工程では3Dデータの活用が出来てはいても、生産などの下流工程には図面や部品表など、2Dのデータとして流れてきているため設計などで作成した3Dデータも下流工程では、ポンチ絵やモデル参照など“形状”としての利用が主となっているのである。

私たちは、3Dを特別なものとして扱うのではなく、誰もが容易に扱える3Dであるべきであり、同時にビジュアル化された情報や成果物(3Dデータ)を“ものづくり”の視点で、全社で利用・循環させることが重要であると考えている。そこで私たちは全社に3Dを広げるための一つのツールとしてXVLをご提案している。

事例紹介

【事例:A社】
まず、金型モデルを設計しているA社では、金型の穴の加工チェックを行うための加工指示書を作成している。もちろん3Dデータもあるのだが現場へはこの加工指示書を作成し図面として流している。しかし、これでは加工チェックを行うためだけに図面を作成していることになり、かなりの時間を要して作成している割には活用の場面が少ない。 そこでA社では図面作成の手間を省けないか?ということでXVLを活用頂いている。

具体的な活用方法としては、事前にCAD上で穴の種類に応じて色をルール化する。 その後、CAD上で同じ色の穴を選択しグループ化し、“XVLデータ作成”というボタンを押すと自動的にXVLへの変換が→選択した穴に注記(座標位置などの情報)がついたXVLファイルが生成→変換モデルが埋め込まれたExcelシートが生成されるまでを自動化にした。 作業者は生成されたExcelシートに対し、加工チェックが終了したものから順にチェックをしていき、チェックが完了したものに関しては、モデル上の注記を自動で非表示にするというものを開発し、ご使用頂いている。

今後としてはALL自動化を目指し、ボタン一つでXVL変換から帳票作成までを自動で行えるようにしていきたいとの事。

【事例:B社】
次にB社では組立指示書の作成を行っているのだが、以前は、全て手作業で行っていた。というのも、他ビューアーを使用し一つずつ貼り付け、そこに注記などを書き加えるということを行っていたため、かなり手間がかかってしまっていた。また、設計変更が起こってしまった場合は、一から作成し直さなくてはいけないという問題点があった。

そこでXVLの工程を利用することの検討を始めた。工程を利用することによりボタン一つで帳票が作成できるため工数を大幅に削減することができる上に、設計変更があった場合でもXVLの設計変更反映の機能を使うことにより対応することができた。

さらには国外用にアニメーションとして、定義した工程を再生することにより、ノウハウのない海外の作業者でも分かりやすく作業が行えるようになると考えた。このようにXVLデータが一つあることにより、Excelでの作業指示書とHTMLでの作業指示書、2つを作成することができるのである。

最近のトレンド

最近のトレンドとして、iPadの業務適用の検討が盛んになってきている。

ツバメックス様では現在、図面レスを目指し現場でのiPad活用を検討している。図面だけでは分かりにくい形状や見えない部分などを、3Dを活用することで見ることができるため、より分かりやすく作業を行うことができるという。また、ツバメックス様では図面を管理しているポータルサイトのようなものがあり、インターネットが繋がる 環境さえあればどこからでも図面が見られるため、図面を呼び出すツールとしても活用している。さらには、作業をしている上で何か問題が生じた場合、その場で設計者へフィードバックするツールとしてiPadが活用でき、素早い対応をとることができるのである。

また、新潟原動機様では電卓などと同様に一つのツールとしてiPadを活用すべきと考えている。たとえばDR(デザインレビュー)の際も3Dだけはプロジェクターなどで映し確認をしていたのだが、図面などと一緒にiPadを机の上に置き、すぐに確認ができるようにした。このように、3Dを特別なものとして扱うのではなく身近なものとして活用することにより会社全体にも3D活用の場が増えてくるという。

XVLものづくりセミナー 2012 in 大阪
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