技術伝承を実現する真のテクノロジーとは
株式会社日立ソリューションズ
松本 匡孝 様
プロダクトソリューション事業本部 プロダクトマーケティング本部
マーケティング推進部 課長 主任技師
イベントレポート
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事例紹介
株式会社日立ソリューションズ
松本 匡孝 様
プロダクトソリューション事業本部 プロダクトマーケティング本部
マーケティング推進部 課長 主任技師
日立ソリューションズは、日立製作所の100%子会社で日立製作所のIT部門としての役割を担っている企業である。3D設計の恩恵をグローバルで享受する方法としては、ラティスが提唱するXVLを使った、6ソリューションが有効であると考える。デジタルモックアップにより設計品質を向上させ、現場で有効なドキュメントを効果的に生成し、業務プロセスを効率化することが重要である。日立ソリューションズは、XVLのファイル管理をおこなうiXVL File Managerとセキュリティ用の活文XVL Signerといった製品で、XVLデータのグローバル活用を支援している。
さらに日立ソリューションズは、タブレット上のXVLデータに手書きで情報書き込め、ネットワークで共有する仕組みを提案する。これにより、世界中の人々とリアルタイムで設計情報のレビュー会議を簡単実施することができるようになり、まさに3D設計の恩恵をグローバルに享受するツールとして期待される。
現状の製造業の課題として、設計ノウハウやの過去の設計データの検討履歴等が属人化しており組織として共有されていないという問題がある。 そのための解決方法として、社内の情報をDBに登録して共有しようと、数年前からナレッジ管理システムや文書管理システム、検索システム等が利用された。しかし、結果としてどれもあまり成功はしておらず、従来の概念から脱却した新たな解決方法が必要とされている。
日立ソリューションズはこの問題に対し、全く新しい独自の解決方法を提案する。それは、例えばそれぞれのXVLデータに対し設計変更の理由や問題解決のプロセスを紐づけて管理するという方法である。これは普段の会議のディスカッションや電子メールのやり取りが自然と情報として蓄積されていくという、新しい手法によるものである。
某自動車部品メーカにおける、この新たな手法を取り入れた取り組み事例を紹介する。 自動車部品メーカは海外の部品メーカと常に厳しい競争をおこなっている。昨今、コスト競争は限界にきており、いかに将来を見据えた付加価値のある商品を提供するか、が重要になっている。この将来を見据えた“付加価値”を作り出すためには、社内ノウハウの蓄積や社外パートナーとアライアンスを推進する効率的でセキュアなITのコラボレーション基盤が必要になる。
この課題に対してSNSを基盤として製品のカテゴリー別に、組織横断でナレッジ共有の仕組みを実現した。 例えば設計者は設計変更を行った際にこの新製品にその理由を書き込み、かつ他部門がどんどん参加して情報を付加することができるのである。この何気ないやり取りが全て履歴として一元管理され共有できるのである。
しかもこの仕組みは、多重化通信という高速転送技術により、日立ソリューションズの性能実験結果によれば、日本と中国間において100MBのデータの転送時間を50分から2分へ高速化する技術を備えている。そのためXVLへの変換が難しいようなデータを海外と共有するようなケースにおいてもNativeのCADデータで情報共有が可能となる。
また、当然情報の内容によっては特定のユーザのみに開示するといったメッセージ単位のアクセス制限や、ファイルのダウンロード制限や印刷禁止、ハードコピー禁止等セキュリティ機能も実現している。
今までは企業は、自社製品の競争力をつけるために他社と製品機能を差別化していた。そのためのIT技術は社内イントラネットが中心であった。しかしこれからは、他の企業と協創し、社会的な価値を生み出していくことが企業に求められている。具体的には市場ニーズの変化を汲んだ、これまでになかった未来提案型の製品を作り出す必要があり、それを実現するための企業間で情報を共有・交換するIT基盤の構築が求められている。今回の日立ソリューションズの提案は、まさにその領域をカバーするもので、これにより企業が付加価値を生み競争力を高めることができるのである
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