XVL Solution World 2005 講演レポート

商品サイクルが、ますます短縮化する現在、安くて良い製品を速く市場に出すことが求められている。商品開発期間短縮はメーカの死活問題である。株式会社ニコン 映像カンパニーでは設計開発期間を大幅に短縮するシステム基盤を構築するために、3D データの特徴を生かして全業務工程で3Dデータを活用する業務改革に力を注いで来た。

この結果、3D CAD による製品開発は急激に増加し、導入の効果が顕著に現れている。この成功の要因の一つに XVL があると考えている。

【3D 化が成功した要因】

• 1．全業務工程に適用
• 2．3D 設計と解析との連携
• 3．XVL の採用

XVL は半日程度の教育を受けることで利用が可能となる。また CAD の 1/100 程度という軽量なデータのため、エントリモデルの PC でも軽快に操作が可能である。そのため、気軽に設計のチェックができるようになった。また、場所を問わず、使用することが可能となった。それぞれの部門での XVL 導入効果は以下である。

設計
設計以外の部署での形状認識力が向上し、設計初期段階で問題点の指摘ができるようになった。

技術
金型メーカとの打ち合わせの場で 3D データを使った検討が可能となり、
その場で問題点を潰すことができるようになった。

試作、製造
3D データからイラストが作成できるようになり、組立工程票や組立ツリー、
問題連絡票、組立手順書など様々な帳票に適用。製作が容易なため、帳票の作成工数を削減できた。

品質
3D データから事前に測定プログラムを作成できるようになり、部品納入から検査完了までの工数を削減できた。
測定結果報告書には XVL CAT Viewer を使用している。

サービス
3D データからイラストを作成、修理指針作成工数が削減できた。
従来に比べ、コストが 4 割、期間は 3 割削減の効果が出ている

XVL の教育にも力を入れており、海外向けに各国語版のマニュアルを作成した。今後 XVL を海外へ広げて行こうと考えている。

今日、XVL は非常に気軽に使えるために、各部門がそれぞれに横展開を図って、さらに XVL の利用が進んでいる。ニコン映像カンパニーでは、今後 XVL の利用者と適用用途拡大を図り、さらなる開発期間の短縮を目指していく。

（ システム提供会社：住商エレクトロニクス株式会社（現 SCSK株式会社）