ラティス、インターネット指向の3次元構築ツール ラティスカーネルのOEM供給を開始

従来の 3 次元カーネルと異なり、ラティスカーネルはインターネット指向の 3D デザインツールの基盤となることを目指している。このため、XVL（:eXtended VRML with Lattice ) 形式という VRML の拡張形式でのデータの入出力をサポートしている。このフォーマットは通常インターネット環境で利用される3次元表現形式である VRML より 5-100 倍程度の圧縮表現が可能で、複雑な形状を極めて少ないデータ量でネット転送することが最大の特徴。ラティスカーネルを内包するブラウザにより、高い品質の 3D モデルを高速に表示することができる。

ラティス・テクノロジーでは、ラティスカーネルを広く OEM 供給することで、XVL を広く普及させる考え。インターネット環境における 3D データの流通は、そのデータ量がボトルネックとなっていたが、軽量な XVL の出現により、WEB における 3D データの普及が急激に加速されると期待される。

ラティス社のホームページでは、ラティスカーネルをベースに開発されたラティスデザイナーの無償評価版のダウンロードが可能。ラティスデザイナーを利用することで、ラティスカーネルの提供する基本機能を評価することができる。個人利用であれば、ラティス社と使用許諾契約を行うことで、誰でも使用することができる。今回の無償評価版は 1999 年 10 月 31 日まで利用可能となっている。

ラティス・テクノロジーはインターネット上での 3D ソリューションを提供するために 1997 年 11 月、慶応大学の千代倉教授らが中心となって設立した、ソフトウェアベンチャ企業。XVL 技術、非常に軽量なソリッドモデラーであるラティスカーネル、3D デザインツールであるラティスデザイナー等の技術をベースに 3D のネットワークソリューションを提供している

ラティスカーネルの特徴

1.ネットワーク転送に有利な XVL 入出力機能
既存の VRML と比較して、非常に大きな圧縮率を実現。曲面を近似したポリゴンではなく、曲面データを直接に、圧縮表現するラティス構造を転送することにより、大きなデータ圧縮と精度の高い曲面データ転送を同時に実現します。

2.スケーラブル軽量カーネル
ラティスカーネルは従来の 3 次元ソリッドカーネルと異なり、データ構造レベルでのモジュールの取捨選択が可能。最小構成のマイクロカーネルは非常にコンパクトながら、厳密な曲面を持ったソリッド構造をサポートします。ゲームから、エレクトリックコマース、電子 3D ドキュメント、 CG 、CAD / CAM までの幅広い分野の 3D アプリケーションの基盤ソフトとしての利用が可能です。

3.バーチャルワールドと実世界の架け橋
ラティスカーネルで表現された形状は、NURBS 曲面形式のソリッドデータとして出力することも可能。デザインされたデータは CAD / CAM システムへ渡し、詳細設計や加工にも利用できます。CAD / CAM データをバーチャルな WEB データへ、CG データを曲面化して CAD データへと多彩な利用形態が可能です。

4.柔らかなソリッド、有機形状デザイン機能提供
ラティスカーネルは豊富な曲面デザイン機能を提供。従来の CAD ではデザインできなかったような有機的な曲面を生成する機能を提供します。

5.オブジェクト指向カーネル
ラティスカーネルは C++ で書かれたオブジェクト指向のソリッドカーネル。3 次元形状の生成、修正及び生成された形状の参照、属性の設定など、3次元処理に必要な機能を提供します。初心者向きにはスクリプト言語からも利用可能な ActiveX コントロールインタフェースも提供します。

※ XVL を使用したアプリケーション開発、システム構築、カスタマイズを支援する製品はこちらに掲載しております。