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ラティス、3 次元 CAD データを 100 倍に軽量化する技術を実現したラティスカーネル V2 のライセンス供給を開始
1999年11月8日
ラティス・テクノロジー株式会社は 1999 年 1 月 8 日より、ソリッドモデリングカーネル( 3 次元アプリケーションを構築するためのツールキット )、ラティスカーネル V2 ( G1T1 レベル )のライセンス販売を開始する。ラティスカーネルはスケーラブルな構造をとっており、ゲーム用途 ( G0T0 レベル ) から CAD データの表示用途 ( G1T1 レベル )まで活用できるよう設計されている。ラティスカーネル V2 では、 CAD / CAM で扱われるトリム曲面を扱う仕組みを導入、CAD データを取り込み、データを大幅に軽量化することで、CAD データをネットワーク利用することを可能とした。
Windows 上のミッドレンジ CAD が普及するにつれ、製造業の現場では、多数の 3 次元 CAD データが蓄積されている。しかし、3 次元 CAD データは複雑な形状であれば、すぐに数十 M バイトのデータ量となり、ネットワーク環境での利用が著しく制限されていた。ラティスカーネル V2 では、この CAD データを与えられた精度内で軽量化し、ラティス社の提唱する XVL( eXtended VRML with Lattice )表現に変換することで、従来の IGES データと比較して 100 倍程度に軽量化する機能を実現した。
これにより、設計製造分野でとどまっていた 3 次元データをそれ以外の幅広い分野で利用することが可能となった。たとえば、CAD データを 3 次元デジタルドキュメントや、インターネット上のバーチャルマーケティングに活用することができる。
従来の 3 次元カーネルと異なり、ラティスカーネルはネットワーク環境で 3 次元形状をデザインし、配信するシステムの基盤となることを目指している。このため、XVL 形式という VRML の拡張形式でのデータ入出力をサポートしている。
このフォーマットは通常インターネット環境で利用される 3 次元表現形式である VRML より 5 – 100 倍程度の軽量表現が可能で、複雑な形状を極めて少ないデータ量でネット転送することが可能である。これまで、XVL を出力するためには、ラティスカーネルを内包した CAD や CG システムを利用してデザインする必要があった。ラティスカーネル V2 を利用すれば、IGES などの既存の CAD データを取り込み、これを軽量化して、XVL 形式で出力することができる。ラティスカーネルを内包するブラウザであれば、これを 3 次元表示することができる。従来、ネットワーク上では、利用することが困難であった 3 次元 CAD データを、非常に軽量化してデータを転送することが可能となった。
ラティス・テクノロジーでは、ラティスカーネルを広く CAD ベンダーや製造業で多数の 3 次元データを蓄積しているメーカーにライセンス供与していく。また、ラティスカーネルを利用した 3 次元データのネットワーク活用のためのソリューション構築を積極的に支援する考えである。
ラティスカーネル V2 の特徴
- ♦ ネットワーク転送に有利な XVL 入出力機能 ♦
- 既存 CAD データを軽量表現可能な XVL 入出力をサポート。曲面を近似したポリゴンではなく、曲面データを直接に、圧縮表現するラティス構造を転送することにより、大きなデータ圧縮と高い精度の曲面データ転送を同時に実現します。従来のネット転送の標準フォーマットであった VRML と比較しても、10 倍以上のデータの軽量化が可能です。
- ♦ 圧倒的な形状の軽量化機能をサポート ♦
- ラティスカーネル( G1T1 レベル )では、CAD データを読み込んで軽量化する機能をサポートしました。CAD データの持つ複雑なトリム曲面情報や、冗長な位相情報( 形状データを構成する要素のつながりを示す情報 )をラティス表現に変換、軽量な XVL データで表現可能にします。精度を与えるだけで、簡単に形状を軽量化、ネットワーク利用できる 3D データに変換します。CAD データの取り込み口としては、IGES とリコー社のソリッドカーネル DESIGNBASE のデータを取り込むことを可能としました。
- ♦ スケーラブル軽量カーネル ♦
- ラティスカーネルは従来の3次元ソリッドカーネルと異なり、データ構造レベルでのモジュールの取捨選択が可能。最小構成のG0T0カーネルは非常にコンパクトながら、厳密な曲面を持ったソリッド構造をサポートします。G1T1カーネルはトリム曲面表現までサポート。ゲームから、エレクトリックコマース、電子3Dドキュメント、CG、CAD用のビューワまでの幅広い分野の3Dアプリケーションの基盤ソフトとしての利用が可能です。
- ♦ バーチャルワールドと実世界の架け橋 ♦
- ラティスカーネルで表現された形状は、NURBS 曲面形式のソリッドデータとして IGES 出力することも可能。また、ソリッドカーネル DESIGNBASE の形式でも出力することができます。デザインされたデータは CAD / CAM システムへ渡し、詳細設計や加工にも利用できます。 CAD / CAM データをバーチャルな WEB データへ、CG データを曲面化して CAD データへと多彩な利用形態が可能です。
- ♦ オブジェクト指向カーネル ♦
- ラティスカーネルは C++ で書かれたオブジェクト指向のソリッドカーネル。3 次元形状の生成、修正及び生成された形状の参照、属性の設定など、3 次元処理に必要な機能を提供します。初心者向きにはスクリプト言語からも利用可能な ActiveX コントロールインタフェースも提供します。
※ XVL Kernel の詳細はこちらのページでご確認いただけます。
用語説明
・XVL はラティス・テクノロジー株式会社の登録商標または商標です。
・その他記載されている会社名および製品名は、各社の登録商標または商標です。
お問い合わせ先
当プレスリリース関するラティス・テクノロジーへのお問い合わせは下記にお願いいたします。
営業統括本部 マーケティンググループ 担当:福原 / TEL:03-3830-0333
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