自動車のボデー設計におけるデザインレビューシステムの導入と効果
トヨタ自動車株式会社
第1トヨタセンター 第1ボデー設計部 室長
橋本 和典 氏
イベントレポート
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事例紹介
トヨタ自動車株式会社
第1トヨタセンター 第1ボデー設計部 室長
橋本 和典 氏
設計品質の確保のため、設計 DR (デザインレビュー) を行うが、その中のひとつに建て付け DR 手法がある。 CAD 上でデータに干渉がないか調べるのだが、データが非常に大きいため、3D CAD 上ですべての部品を読み込むとパフォーマンスが低下してしまう。 結果として、いくつかのブロックに細分化しなくてはならなかった。
また、3D CAD を利用する範囲が増えるほど、チェックの必要な領域も増える。 チェックは目視に頼っていたため、人により品質にバラツキが出る。 また長時間に渡り集中力も要求された。 さらに、こうしたチェックやその結果をまとめるレポートを作成するのに非常に工数も掛かっていた。
データを細分化せずにチェックを行いたい。 人による品質の差を無くし、工数を削減したい。 こうした現場からの要望に対して IT 部署から紹介されたのが XVL だった。
XVL に着目したのはデータ容量が小さく、表示パフォーマンスが良かった点である。 また、自動で建て付けのチェックが可能でもあった。 検討の結果、XVL は磨けば光る原石であると確信し、トヨタコミュニケーションシステム殿、ラティス・テクノロジー殿、両社と共に改善に取り組むことにした。
改善の過程で出た現場からの主な要望は以下である。
検討の中で出された数多くの要望項目をステップに分け、取り組むことにした。 目指した DR のシステムは、データの集約、板厚を付けるといった準備段階から、自動計算の建て付けチェック、結果のレポート出力までを効率的に行える環境の構築だった。 共同開発を一年に渡り進め、今年の3月に完成した。 それが XVL Studio Pro に織り込まれた。
XVL Studio Pro 導入の結果、建て付けチェックに掛かっていた工数が約 1/3 になった。 さらに目視チェックに比べチェック精度が大きく改善し、人によるばらつき、作業者の長時間に渡る集中力も緩和された。
今回、車体の一部で試みていた XVL の活用は非常に効果が出た。 今後は、他の部位、さらには車両全体の DR にまで活用を広げていきたいと考えている。
( システム提供会社:/(株)トヨタコミュニケーションシステム)
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XVL Solution World 2005 講演レポート