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ものづくりコラム|第2回.設計ツールの変革は何をもたらした?
2018年7月23日
ものづくりコラム
第2回.設計ツールの変革は何をもたらした?
1980 年の初頭に設計の CAD 化が広まった。それまではドラフターに方眼紙を貼り付け検討図を描き、トレーシングペーパーを重ね写すと共に加工図を描く作業に残業を重ねた時代でした。
CAD のルーツは航空機・軍需に起因しています。米国の Lockheed 社が開発した CADAM がデファクトスタンダードとして広まり、日本でも多くの企業が導入を開始しました。誰でもこのような状況下で CAD の有効性を受け容れてしまいますが、何がメリットなのか明確に理解している方も少ないかと思います。
それは CAD が設計の道具だからです。一般的に、道具が変わると必然的に仕事の進め方が変わります。そこで削減された事柄が道具の効果なのです。しかしながら、導入時点で苦労も多く実感が持てない場合が多いのも事実です。
設計業務の作業を分析してみると、まず判っている要素の条件を作図します。そこに新たに設計する概要を書き加えます。これを検討と呼びます。ここから全体調整を行い、修正を書き加え詳細設計に入ります。さらに、部分に分け部品図を作り、組立図を作って行く流れです。この一貫した流れですが、元図に何度も修正を行い、元図を何枚もコピーし個別図面を作って行くのです。これが設計業務です。
このように分析してみると、修正とコピーを多用しておりコンピューターの得意なジャンルな事が判ります。手書きではこの部分を最小限にしようとするために、完成度の向上が設計者の経験で左右されており、誰でもある程度設計出来るようにしたのが CAD 化の意味です。
現に私の経験ですが、CAD 導入時点で若手以外の先輩はドラフターにしがみ付いていましたが、1 年後には CAD 信者になっていました。修正とコピーが何度でも出来るのは、初心者だけでなく熟練の先輩にもメリットがあるのは明白です。先輩方のご意見は 「 もうドラフターに戻れないな 」 で、導入直後の意見と真逆だった事が印象的です。
慣れたツールを離れるのは大変なんですね!
次回のコラム掲載をお楽しみに!
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