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ものづくりコラム|第4回.PDM は何のために?
2018年9月26日
ものづくりコラム
第4回.PDM は何のために?
企業のトレーサビリティー要求は深まり、製造物の中核である部品表の集中管理はどの企業でも行われていますが、設計情報だけの管理では不足しており、現在では PLM の領域へと変わりつつあります。
企業において製造を行う上で部品表が中核になる事は、誰でも理解していると思います。ISO9001 でもこれを中心にドキュメント管理がどのようになっているかを記載し記録する流れです。これらは製造物責任を果たすためには必要ですが、意外な盲点も存在します。
その代表的なのは、一般的な部品表を E-BOM と呼ぶのに対し、 M-BOM( 製造部品表 )もしくは S-BOM( 保守部品表 )を管理していない事が多いのです。各企業によりその状況は異なりますが、部品表が異なるために設計部品表のみを管理しており、その他は部門管理にしているのが実態でしょう。
少し疑問を感じます。
管理している対象は同じなので、どの様な部品表を記述しても構成部品は同じです。技術と製造で異なのは纏める単位が違うだけです。構成する部品は同じなのに何故、一括管理出来なかったのでしょうか?
端的に言って習慣性です。手書きで作った部品表の時代を引きずっての運用で、進化が止まっているのに自覚が無いのです。
考えてみてください。製品を表す部品表は 1 個のはずです。記載方法が異なるのは管理する部門が違うからです。仮に、1 個の部品表に複数の属性が記載できれば、E-BOM、M-BOM を分離する必要が無くなります。昨今これらを運用に乗せるための MES や MOM といったシステムが広がりをみせており、その結果を記録するのが PDM や PLM の役割のはずです。
ある意味、器の議論が優先しがちですが、記録する内容をどの様に作るかを検討する事の方が本質的で重要だと思います。
世の中のトレンドを追うことも良いですが、物事の本質を捉え、運用を深めることが高品質なモノづくりに繋がるのではないでしょうか。
次回のコラム掲載をお楽しみに!
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