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ものづくりコラム|第7回.物流を制するものビジネスを?
2018年12月18日
ものづくりコラム
第7回.物流を制するものビジネスを?
1990年代から
安くて良いものはいつの時代でも求められており、ものづくりの規模が拡大した際、人件費の低い地域( 国を超えて )に生産現場が移って行く事になりました。しかしながら、人件費が安い地域で生産すると、本当にコストが下がるのでしょうか?
国内において、地方の安い労働力を活用するということは納得がいきます。しかし、海外の安い労働力を求めて、そこで生産することが良いのかという事に疑問を感じざるを得ません。海外で作って輸入するとコストは本当に下がるのでしょうか。なぜそのような流れが浸透してしまったのか考えてみましょう。
一般的に、ものに対する原材料費の割合は 25% と言われます。さらに加工は 25% で、残り 50% の領域が利益と販売管理となるのが相場です。( 業態によって見え方は異なると思いますが原材料から製品までを総括すると概ね同じ傾向となります。 )
自社製作のパーツ・アセンブリ・完成品を移動させるための、目に見える物流費は、販売管理費に含まれています。しかしながら、自社のみで海外に進出した場合、材料を方々からかき集め、場合によっては輸入する必要が生じ、目には見えない物流費が原材料費に上乗せされます。また物流が長くなると工期も伸びて、市場の増減に敏感に対応できなくなります。こちらも、海外生産における目に見えない費用になってきます。
良く練られていない海外進出は、見かけの費用は安く見えるかもしれませんが、目には見えない物流費が高くなり、実は利益が出ていないことが少なくありません。
一方、物を動かさない( 物流を最小限にする )即ち、一括生産の環境を整えることが可能になれば、物流は短縮します。つまり、「 一括で材料を調達し、加工し組立てる 」 といった環境を、新たに作る事が出来る新興国のメリットが、外注化し、物の移動の多い国内産業に勝ったと考えれば、海外展開した理由もわかります。しかしながら、このようなケースは、ほとんどありません。
昨今、モノづくりの海外展開が流行していますが、私たちに求められているのは、何がメリットか見極め、国内産業を活性化させる事なのではないでしょうか?
次回のコラム掲載をお楽しみに!
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