イベントレポート

XVL 3次元ものづくり支援セミナー2013 講演レポート

セミナーでの講演をレポートで公開します

事例紹介

ユーザー講演

3D データ活用の取り組み

株式会社ニコン

映像カンパニー 開発本部 開発管理部
ST課 マネジャー
佐谷 大助 様

もの作りのあらゆる場面で XVL 活用を進めるニコン映像カンパニー

ニコン社内で、主にデジカメを中心とした映像事業を担う映像カンパニーでは、2002 年より XVL を導入し、3D CAD とともに運用することで設計・開発から試作、生産、サービスに至るまでのあらゆる工程で 3D データを積極的に活用している。その活用度も年々向上しており、XVL と 3D CAD のライセンス数は導入以降、一貫して増やし続けているという。

また、ライセンスの利用率も常時 80 % 以上と、非常に高い割合で推移し続けている。ニコン 映像カンパニー 開発本部 開発管理部 ST課 マネジャー 佐谷大助氏によれば、同社内でこれだけ 3D データ活用が根付いている理由の 1 つには、エンドユーザーからのフィードバックに常に耳を傾けていることがあるという。

「 どんなユーザーがどんな用途で XVL を使っていて、またどのような要望を持っているかを、アンケート調査で定期的にヒアリングしている。その結果を基に、購入ライセンス数を調整したり、ラティス・テクノロジー社に改善要望を出すなどしている 」

現在同社では、CAD で作成した 3D データを、データ変換システムを介して XVL に変換し、2D データとともに PDM で管理している。CAD はデータやプログラムが重いため、設計現場以外ではなかなか利用できなかったが、データを軽量な XVL に変換することによって、DR や技術検討の現場での 3D データ活用が進んだという。

「 従来は二次元の紙の図面をベースに DR や技術検討を行っていたが、誰もが二次元の図面から三次元のイメージを仔細に想像できるわけではない。そのため、三次元でないと見えない 『 裏の裏の 』 部分については見落としがあった。しかし、XVL の 3D データをそのまま DR や技術検討の場に持ち込んだことで、それまで見えなかったところが見えるようになり、見落としがかなり減った 」(佐谷氏)

また、金型要件の DR を行うような際にも、PC での動作の重い CAD 環境とは異なり、XVL の軽量さが重宝されたという。

そのほかにも、XVL の 3D データをベースに技術検討資料や作業説明資料などを作成し、現場で広く運用しているという。また、XVL を介して生産から設計へ技術フィードバックを行う仕組みも独自に実装している。

「 生産の技術者が、設計の問題点や注意点などを XVL 中に注釈文として挿入し、設計者に送る。設計者はこれに対する回答を生産側に戻すが、この回答の期限や進ちょくを管理するための要件管理システムの仕組みも組み合わせることで、技術検討全体の業務を回している 」(佐谷氏)

さらには、サービスマニュアルの作成にも XVL が活用されている。サービス業務のドキュメントや帳票に挿入する絵は、基本的には XVL をベースに作成されている。

「 すべてのドキュメントを XVL で作成しているわけではなく、画像編集ソフトを通すなどして最終的なドキュメントに落とし込んでいるが、それでも CAD のデータを使うよりは数倍作業が楽になった 」(佐谷氏)

XVL ソリューションをフル活用した組立工程表作成システム

このように、極めて広範な業務でXVLを活用しているニコンだが、現在さらなる有効利用に向け、新たな活用法に取り組んでいる。それが、XVL StudioLattice3D Reporter を使った 「 組立工程表作成システム 」 だ。同社では現在、別ツールを使って組立工程表を作成する業務フローを運用しているが、幾つかの課題に直面しているという。

「 3D データを利用しても、出力される組立工程表が二次元の Excel ドキュメントだった点。現場では、この Excel を基に工程表の更新が行われているため、版管理の面で問題が生じていた 」(佐谷氏)

こうした課題を解決するために、次期組立工程表作成システムでは、XVL の中の 3D モデルとともに工程を付加することで、XVL データを正とする厳密な版管理が可能な仕組みを目指している。具体的には、3D データと BOM データをXVL Studio に投入し、さらには社内開発した工程ライブラリ編集・管理ツールから工程ライブラリをXVL Studio に送り込む。こうしてXVL Studio 上にすべての工程情報を集約した上で、最終的には Lattice3D Reporter から社内フォーマットに則った形で組立工程表が出力される。

現在では、最終的な出力形式は従来の運用と同じく紙になっているが、佐谷氏は 「 3D データを主として用い、紙資源の削減と、版管理を厳密に行えるように、将来的には組立工程表を参照するためのビューアを作っていきたい 」 と抱負を述べる。

佐谷氏は IT システムの構築や IT ツール選定のポイントについて次のように述べる。

「 IT システムは必ず 5 ~ 8 年でバージョンアップや置き換えが発生するので、そのことを念頭に置いたシステム構築や製品選定が重要だ。具体的には、バージョンアップの際の手間やコストを考慮してカスタマイズを最小限に抑えたり、次期システムでのリプレースを念頭に入れてシステム投資の回収をなるべく早く行うといった点がポイントになる。個人的には、システム投資は 2 年で回収できないと 5 ~ 8 年のサイクルにはとても耐えられないと考えている 」

また同氏は、テクノロジーの進化スピードも常に念頭に置いた上で、適切な技術や製品を選択することも重要だと指摘する。

「 XVL は確かに現時点では、ほかの技術と比べデータ容量やファイル数が圧倒的に小さいという強みがある。しかし今後、CPU 性能やディスク容量、ネットワーク速度が進化していけば、そうした優位性は相対的に小さくなってくる。従ってラティス・テクノロジーさんには、現在の地位に安住することなく、今後も常に優れた技術や製品を出し続けていってほしい 」

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